マッコウクジラのふんが凄いという事実をご存知でしょうか?
日本では龍涎香/竜涎香(りゅうぜんこう)、欧米ではアンバーグリス(Ambergris)と呼ばれていますが、このマッコウクジラのふん(龍涎香)とは一体どのようなものなのか?実はすごい価値があるらしいので調べてみました!
マッコウクジラのふん?龍涎香(りゅうぜんこう)とは?
龍涎香(りゅうぜんこう)とは厳密にはマッコウクジラのふんではなく、胆石や結石だと言われています。
マッコウクジラは主にダイオウイカやタコなどを食べているのですが、これを消化できなかった時(主にダイオウイカ)に体内の分泌物で脂肪のかたまりを作り、これがふん=龍涎香になると考えられています。
ただその生理的機構や意義に関しては不明な点が多いのが現状です。
見た目は白っぽいものが多いらしいですが、灰色や黒色だったり、褐色っぽいものもあるそうです。
龍涎香(りゅうぜんこう)の価値は?
一説に寄ると、龍涎香は昔から貴重な香料として高値で取引されていて、1948年には金の8倍もの値がついたという話があります。
かなり昔から香料の王様と呼ばれていて、香水や薬用として高値で取引されていたという歴史がありあのクレオパトラや楊貴妃も愛用したとか。
マッコウクジラのふん、龍涎香はどのように使われてきたのか?
古来より龍涎香は香水の原料として利用されてきましたが、実は「保存剤・保香剤」としても広く知られています。
マッコウクジラのふん、龍涎香の重さは?
龍涎香は水より比重が軽いため、海面に浮き上がり海岸まで流れ着くと言われています。イメージとしては軽石のような形状だそうです。
龍涎香(りゅうぜんこう)はどのように良い香りができるのか?
龍涎香はマッコウクジラからの対内から排泄されますが、排泄された直後は良い香りとは言えません。最初は悪臭がして、次第に青臭くなり、やがてかび臭い匂いに変わり、その後に、言葉では表現できないような深い香り、海の麝香(じゃこう)のようなかぐわしい香りに変わるとのことです。
つまり一番良いのは数十年と長期間の時間を掛け海上を漂流したもの、つまり太陽の紫外線に長時間さらされ、空気で酸化することにより龍涎香として成熟していくそうです。
長い間漂流した白い龍涎香が多くの人に愛され高い価格で取引されます。
浜辺で白っぽい石を拾っていい香りがしたら竜涎香(りゅうぜんこう)のかも?!
龍涎香は全てのマッコウクジラから取れるの?
龍涎香はオスのマッコウクジラにしかなく、捕獲鯨100頭に一つか二つ程度しか発見できないそうです。
もちろん現在は捕鯨は禁止ですので、たまたまマッコウクジラが吐き出した結石を偶然発見するか、自然に漂流する物をたまたま見つけるしかありません。
マッコウクジラってどんな生態?世界最大ってほんと?
マッコウクジラはマッコウクジラ科マッコウクジラ属に分類され、下あごに円すい形の歯を持っています。歯のある動物では世界最大ともいわれています。全身は灰色~青褐色で、大きな頭と突き出た丸いおでこが特徴です。
主食のイカを探しに、水深1000メートルまで潜れるらしく、その際にはなんと最高90分間呼吸を止めることができるそうです。
マッコウクジラの大きさや重さは?
マッコウクジラの大きさはオスとメスでかなり差があり、オスの体長はメスの1.5倍もあるらしいです。
オスの大きさは成体で約16~18m、メスは約12~14mで、体重はメスの約25tに対して、オスは約50tとほぼ2倍近くあるそうです。
マッコウクジラの名前の由来は?
マッコウクジラの名前の由来は、腸内から抹香(まっこう)に似た香りのする香料の龍涎香が採れるためにマッコウクジラと名前がついたそうです。
マッコウクジラは英語でなんて言うの?
マッコウクジラは英語でSperm whaleと言います。また、別名 Cachalot (キャシャロット)とも呼ばれているそうです。
マッコウクジラは漢字で書くとどんな字?
マッコウクジラを漢字で書くと「抹香鯨」となります。
マッコウクジラの寿命は?
マッコウクジラの寿命は60年から70年くらいと言われています。人間と変わらないくらい長生きですよね。
まとめ
今回はマッコウクジラのふん、龍涎香(りゅうぜんこう)についてご紹介しました。
詳しい事はわかっていないにせよ、マッコウクジラのふんが数十年の時を経て、人間の手に渡って大事にされることもそうですが、それをクレオパトラや楊貴妃など大昔の偉人が手にしていたことを考えると、時代を超えて愛される神秘的なものだと思います。
わかっていない所も多いというのがまた、非常に興味深い生き物だと感動しました。
また12~18メートルもあるマッコウクジラが10メートル以上のダイオウイカを捕食するという事実にも驚きましたし、ちょっとドキドキしましたね!
大きさ的に10メートルと言ったら路線バスと同じ位の長さです。
バスVSバスが水中で戦うってどういう事なんだろう・・・(笑)
普通に生きていて10メートル級の生き物同士の戦いって見られませんし、想像をするだけでもの凄い世界ですよね。